石は自分に向かって投げるものだ

文化人類学の期末レポートで私の人生を見つめ返している。今までとは違って自己憐憫に帰結しないように、感情をぶつけることだけを是としないように書き記すのは初めてだから骨が折れる。難しい。そして私の人生を打ち込んでいくたびに、当時のもっとヒリヒ…

そして音楽へ

歌は小説や演劇と違ってとことん生活に近いところが羨ましい。洗濯を干しながら口ずさむ歌、繁華街の交差点で爆音で流れているヒットソング、夜1人で静かに聴く歌、歌番組の懐メロ特集......。歌は他の言葉の芸術と違って、老若男女分け隔てなく日本中包み込…

どこで降りるの

最近はてんでダメで、授業にもなかなかいけないし課題もリアペも全部目を背けていたら締切が終わっていた、なんてことばかり。2週間くらいこんな感じ。しまいには10年振りくらいに39度の熱を出し、ここ4日くらい(恐らくカンピロバクターと今日診断された)…

明月皎夜光

「大学」は街へ出るべきだ、と「あゝ、荒野」では書いてあるし、田中角栄は、「東大を出た頭のいい奴はみんな、あるべき姿を愛そうとするから、現実の人間を軽蔑してしまう。それが大衆軽視につながる。それではダメなんだ。そこの八百屋のおっちゃん、おば…

15歳 母殺しと母胎回帰

私が高校生だったとき、国語科の職員室で先生に寺山の歌集を見せながら「これはほんとなんですか?」と尋ねた強烈な記憶が出てきた。角川文庫「寺山修司青春歌集」の「田園に死す」の章だったと克明に覚えている。姥捨の歌だった。「寺山の時代の青森には本…

流浪の月

受け取るものがたくさんあったから、本来ならこのブログにみっちりと書き込んでいたのだと思う。ただ、感想があまりにもプライベートな事柄と絡んでしまうので、それも私のことではなく、周囲の人の事情なのでここには書けない。ここは雑記帳だけれど、あく…

熱海

これは友達と行った楽しい旅行なのであまり書くことはないけれど、一応残しておく 8/10日から1泊2日、熱海へ行ってきた。熱海へはずっと行きたかったから、念願叶って嬉しかった。詳細はこのブログの1番最初の記事に書いてあると思うから省くけれど、2年前に…

高校時代とamazarashi

『空白の車窓から』 関鉄の土浦駅行きのバスの、右側の優先席から見る景色 『戸山団地のレインボー』 一高前のバス停を降りて、校門に向かう途中の登り坂 『ポルノ映画の看板の下で』 冬のつくばセンターのロータリー周辺 『インヒューマンエンパシー』 高3…

溺れるナイフ

【酷評】 動機付けが適当で見ていられない。TikTokでバズっていたから見てみたけど、この作品自体がショート動画みたいに綺麗な場面が切り貼りされているだけだから、素人が切り抜いてもそれらしいクオリティになってバズっているんだなーと腑に落ちた。 絵…

田園の憂鬱

青春小説が扱う範囲はてっきり高校生までだと思っていたけれど、まだまだあったみたい。 大学の友達に、佐藤春夫についての講演に誘われたのが先週のこと。二つ返事で約束したものの、佐藤春夫は国語の便覧で名前を見た程度だったので、慌てて大学図書館にあ…

ミッドナイトスワン

辛いときは何か作品に触れて、頭をどこか別の次元に持っていくという治療法を覚えてからずいぶん経った。堪えきれずに泣けば何かの活力になる問題じゃないなら、保身のためにさっさと気を紛らわしてしまったほうが楽だ。 私の好きなテーマだ!とYouTubeの15…

天気が変わりやすいティッシュ

鼻をかんだら、雷が鳴りだしたときに気づいた。私の家にあるティッシュは、『天気が変わりやすいティッシュ』だった。「ゆうくん、食べるときはスプーンを使うのよ」お母さんが1歳になったばかりの弟の口周りを拭こうとして、ティッシュをとった。そんなお母…

新幹線

のぞみに乗って名古屋へ向かっています。奨学金の授与式に間に合うように、今朝は随分早く家を出ました。 新幹線に乗るのはほぼ2年ぶり、父方の祖父母に会いに行ったとき以来です。 あのときはこだまに乗りました。そのせいもあってか、景色が流れていくのが…

尾崎放哉

ぴったりしめた穴だらけの障子である この句を授業で知って、惹かれたのがきっかけである。 そういえば中学の授業で種田山頭火を扱ったときのことをよく覚えている。自由律俳句、というのは読んでいてやけに気持ちがよいとそのとき思った。耐えて辛抱するこ…

書棚

寮の自室の書棚に本が増えていくたびに満ち足りた気持ちになれる。私の読書体験のほとんどは図書館がもたらしてくれたから、自分の財産として本があることに、まだ少し贅沢だと気後れしてしまう。 生活用品が並ぶ棚の中のたった3スペースだけど、私の狭い部…

砂漠の動物園と下北沢

私が寺山修司を知ったきっかけはamazarashiのWikipediaのはずだ。ただそれより前に、寺山修司と知らずに彼の作品に触れていたことがある。おそらく中学1年生のときの国語の教科書に出てきた、 海を知らぬ 少女の前に 麦わら帽の 我は両手を 広げていたり と…

ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?

私にとって上野はさみしい街だ。 私が茨城出身であること、新潟の祖父母の家に帰るときいつも上野駅から新幹線に乗っていたことから、2005年生まれの私にとっても上野駅は北の玄関口である。 東京に対するあこがれとコンプレックスを抱えた私は、上野で降り…

東京

上京してから新宿や渋谷や銀座に行っても、今まで何度も訪れたことがあるからか舞い上がらなかったけれど、永田町の夜景はどきどきしてしまった。国会図書館の帰り、ビル群の光に沈んだ首相官邸と、異様な警察官たちはやけにくっきりと見えた。午前中つけて…

ブログ

このブログは文章が書けるようになるまでの雑記帳なので、読み返して直したくなった表現や誤字もそのままにしている。 最初に投稿した文章なんて、もう目も当てられないし、何なら私はもう宝塚が好きではない。それでもももっと年月が経てば、自分の中で大切…

溶ける魚

私なんかは素人なので、小説を書くとき、書き出しだけをキャッチーに仕立ててしまう。最初の一文だけに読者をひきつけられるよう力を込めて、文章全体は雑になる。しかし、溶ける魚はその磨き上げられた書き出しが延々と続いているような感覚になる。とにか…

地獄変

傷一つないきれいな文学だと思った。話の展開のいっさいに無駄がなく、しなやかなアスリートの身体を見ているような気がした。これは緻密に練られているのか、芥川の才能なのか、はたまた両方か。 一昨日観たローマの休日も瑕瑾のない作品だったけれど、地獄…

ローマの休日

オードリーヘップバーンがかわいいし、名作だから見てみたかっただけ。 うまくまとまってて、程よく面白くて、オードリーヘップバーンはかわいかった。古典的名作、とは本当にその通りで、きれいに収まっている作品だと思った。多分逆なんだろうけど、宝塚み…

オッペンハイマー

観る前は、なんで日本焼いた奴の映画を金払って見なくちゃいけないんだ、と思っていた。しかし、途中からお金払って観にきてよかった、と思うようになった。お金を払わないとみられないような内容だった。この作品が日本の地上波で放送される日はあるのだろ…

共テ3日前の気持ち

ちゃんと紙に残したいけどする余裕が本当にない。ただ受かっても失敗しても、大事な轍になるのは変わらないからとりあえずここに残しておくね。11月に父と会ったあと数日間は、強く死にたいと思ったんだけど、やっぱりあのとき死んでおけば良かったって1日に…

映画ハイキュー ゴミ捨て場の決戦

たった今、ハイキューの映画を観てきた。帰りの車内で執筆している。なぜ、わざわざ地元のつくばではなく、南船橋まで向かったのかというと、友達と4dxで観るためだ。 初めて体験する4dxは、素晴らしいとしか言いようがなかった。ボールの動きに合わせて座席…

星組RRR

久しぶりに宝塚を観てきたよ。 今回は、楽しみというより品定めでもするような、底意地悪い気持ちで向かったと思う。純粋なファンというより、批評家目線。自分がこれからも宝塚を観続けるかどうか決めにきた。 結論から言うと、多分もうあんまり観ないと思…

音楽

受験が終わってから、ひと月だけピアノ教室に通い直すことにした。小中と通っていたお教室で、久しぶりにピアノと向き合えるのは楽しい。しかも、曲がずっとずっと憧れていたショパンの「革命」だから尚更だ。 初回のレッスンで、先生曰くこの子はすごい!と…

ウンガレッティ

ウンガレッティ全詩集 河島英昭訳 岩波文庫 二次試験直前〜今日まで、ちまちまとこの本を読み進めていた。切羽詰まっていても、詩集なら息抜きにちょうど良いだろうと。 たくさんの詩の中から1番のお気に入りを見つけることだけを考えて読み進めた。かなり気…

ラ・ジュテ

【1回目】 2/16 たった今、ラ・ジュテを観終えた。第一の感想は、すごいものを見た気がするけどそれがなんだかはわからない。映画の中の記憶世界のような、不可思議な世界に放り出された感じ。私の言語化能力と理解力が足りないからこんな粗末な感情にしかな…

2023年美味しかったご飯

普段お母さんが作ってくれるご飯が1番美味しいんだけど、とりあえず数少ない外食だけでもまとめてみるよ 【殿堂入り】 ・特米弁当 ここの唐揚げが美味しい!!土浦の特産品がこの唐揚げじゃない理由がわかりません。お母さん(未だ食べたことがない)に何度…