Narrative

わが内に獣の眠り落ちしあとも 太陽はあり頭蓋を抜けて

東京

上京してから新宿や渋谷や銀座に行っても、今まで何度も訪れたことがあるからか舞い上がらなかったけれど、永田町の夜景はどきどきしてしまった。国会図書館の帰り、ビル群の光に沈んだ首相官邸と、異様な警察官たちはやけにくっきりと見えた。午前中つけてもらった美容院のきついヘアオイルの匂いを吸い込むたび、大人になったような気持ちになる。 1ヶ月経ってようやくお上りさん気分を味わった。